OpenAIがGPT-5.6を正式発表:総合知能スコアはClaude Fable 5に肉薄、コストは半減、ChatGPTとCodexが統合
- OpenAIがGPT-5.6シリーズの3段階モデルを正式発表:フラッグシップのSol、バランス型のTerra、コスパ重視のLuna。本日よりChatGPT、Codex、APIで全面提供開始、24時間以内に世界展開。
- 同日、ChatGPT Workも公開(Codexを内蔵し、自らステップを分解して成果物を仕上げるエージェント、Claude Cowork対抗)。CodexアプリはChatGPTの新デスクトップアプリに統合され、GPT-5.6が駆動する。
- 新たにultraモードを追加。デフォルトで4つのエージェントが連携し複雑なタスクを並列処理する。API側ではResponsesのmulti-agent betaで同様の体験を自作可能。
- 公式ベンチマーク:SolはArtificial Analysisのコーディングエージェント指数で80点を獲得し過去最高を更新。総合知能指数ではコストを約半分、所要時間を61%短縮しながらClaude Fable 5に肉薄し、差はわずか1点。
- サイバーセキュリティのスコアも大幅に向上(ExploitBenchは47.9%から73.5%へ上昇)。公式は「クリティカルリスク」の閾値はまだ超えていないとしつつ、安全防護のブロック力は約10倍に強化されたとしている。
- 価格:Solは100万トークンあたり入力$5・出力$30、Terraは$2.5/$15、Lunaは$1/$6。さらに安定性を高めたプロンプトキャッシュ機構も追加。
OpenAIがまた新モデルを発表、今回は一気に3段階
OpenAIは本日(2026-07-09)、GPT-5.6シリーズモデルを正式に発表した。フラッグシップのSol、バランス型のTerra、コスパ重視のLunaの3段階に加え、複数のエージェントを連携させて並列作業させるultraモードも投入した。
しかも今回発表されたのはモデルだけではない。同日、OpenAIはChatGPT Workを公開し、CodexをChatGPTに統合した。GPT-5.6はまさにそれを駆動するエンジンだ。このプロダクトラインの変化はモデル本体と同じくらい重要で、詳しくは後半の第9節で説明する。
提供開始:本日よりChatGPT、Codex、OpenAI APIの3か所で同時に公開され、世界各地に順次展開、24時間以内に完了する。以下では公式が示したいくつかのテスト結果に沿って、「省コスト」が具体的に何を指すのか、ultraとは何なのかを1節ずつ見ていく。
同じ賢さなのに、なぜもっと安く速くなるのか
モデルの使い勝手を測る基準は「スコアの高さ」だけでなく、「そのスコアを取るのにいくらの時間とお金がかかるか」もある。GPT-5.6のセールスポイントは後者に集中している。同じタスク群の所要時間とコストを抑えつつ、スコアはほとんど落とさない。
公式は2つの総合テストでこれを説明している。1つはAgents' Last Exam(55の専門分野をカバーする長期エージェントワークフロー)で、Solは53.6点まで到達し過去最高を更新、Claude Fable 5より13.1点高い。中程度の推論グレードだけを使った場合でもFable 5より11.4点高く、コストは約4分の1で済む。さらに省コストなのが小型モデルだ。TerraとLunaは約16分の1のコストでFable 5を上回った。もう1つはArtificial Analysis総合知能指数(エージェント、コーディング、科学的推論、汎用能力を統合してスコア化)で、Solはmaxグレード使用時にFable 5よりわずか1点低いだけだが、タスク完了にかかる時間は61%減、コストは約半分だった。
ultraモード:4つのAIが手分けして作業し、後で統合する
GPT-5.6は「思考にどれだけの時間と計算資源をかけるか」を調整するグレードを持ち、low、medium、high、xhighからmaxまで段階がある。maxの上にはさらに新グレードのultraがある。これは「1つのモデルにより長く考えさせる」のではなく、デフォルトで4つのエージェントを呼び出し、タスクを分割して並列処理し、最後に統合するというものだ。
公式はBrowseComp(Webブラウジングタスク)、SEC-Bench Pro(セキュリティの概念実証)、Terminal-Bench 2.1(コマンドラインタスク)の3つのテストで、「エージェント1つ」と「エージェント4つ」の成績を比較した。結論は、並列で動くエージェントを増やすほど、より短い時間でより高いスコアを取れるというものだ。BrowseCompを例にすると、単一エージェントは8分間フルに使ってようやく90.84%に達するが、4つのエージェントに切り替えると6.58分で92.18%まで到達する。
下のエージェント数を切り替えて、この「スコア・所要時間」曲線がどう左上に移動するか見てみよう(左ほど速く、上ほど正確):
シングルエージェント基準値:lowからmaxまで、スコアは69.04%から90.84%まで上昇するが、最高スコアを出すには7.99分をフルに要する。曲線全体は右下寄りになる。
ultraデフォルト設定:4つのエージェントが並列動作し、同じ推論グレードでも曲線全体が左上に移動する。maxグレードでは6.58分で92.18%に到達し、シングルエージェントより速く正確だ。
エージェント16体:さらに左上へ押し進み、lowグレードでは1分未満で86.41%に達し、highグレードでは2.79分で92.18%に到達、頂点は93.4%に迫る。
開発者向けには、APIでも同時にmulti-agent betaが公開された。1回のリクエスト内でGPT-5.6に複数の並列サブエージェントを走らせ、それぞれの結果を統合させることができ、自前でultra風の体験を組み立てられる。
「GPT-5.6は、私たちがCursorBenchで測定した中でも最も強力なモデルの1つです。初期評価でも堅実な結果を示しています。持続性、知能レベル、全体的な効率のいずれにおいても、開発者にとって大きな前進です。」Oskar Schulz、Cursor社長
コーディング能力はどう強化されたのか:スコアは過去最高、しかもより省コスト
SolはOpenAI現行最強のコーディングモデルだ。Artificial Analysisのコーディングエージェント指数では、maxグレードで80点を獲得し同ランキングの過去最高を更新、Claude Fable 5より2.8点高い。しかも使用した出力トークンは半分未満、所要時間も半分未満、コストは約3分の1低い。ファミリー全体もその恩恵を受けている。TerraはFable 5をわずかに上回り、LunaはOpus 4.8を超え、それぞれ所要時間は約3分の1、出力トークンは約半分、コストは約4分の1に抑えられている。
どこが省コストか:モデル自身に小さなプログラムを書かせてツール呼び出しを処理する
コーディングやツール呼び出しが多い作業では、これまでのやり方はこうだった。モデルがツールを1回呼ぶたびに、ツールが返した内容をまるごと対話に詰め戻し、モデルにもう一度見させてから次のステップを決めさせる。往復が増えるほど、消費するトークンも増える。GPT-5.6はProgrammatic Tool Calling(プログラム可能なツール呼び出し)を導入した。モデル自身が小さなプログラムを書き、メモリ内で複数のツールを連続的に制御し、不要な中間データをふるい落とし、重要な節目でだけ結論を自分に持ち帰る。
インターン生にリストを渡して雑用をまとめて片付けさせ、重要な節目でだけ報告に戻らせるようなものだ。1つ作業するたびに電話で指示を仰ぐのとは違う。往復が減れば、トークン消費も遠回りも減る。
副次的な利点として、中間データがすべてメモリ内で処理され、ディスクに落ちないため、Programmatic Tool CallingはZero Data Retention(ZDR、処理完了後にデータを一切保持しない)というコンプライアンス要件を自然に満たす。医療や金融といったデータに敏感な業界がツール多用のワークフローを導入する際にも適している。
完成イメージを自分で確認し、問題を見つけて修正できる
GPT-5.6にはインターフェースデザイン面での変化がある。大まかな方向性を与えるだけで、見た目が良く、使いやすく、実用的なインターフェースを生み出せる。さらに重要なのは、より強力なコンピュータ操作能力によって、コードを吐き出すだけでなく、自分がレンダリングした完成品を実際に見て確認できることだ。これにより見た目や機能上の不具合を発見し、自分で修正してから納品できる。
公式が示した最初の実例:GPT-5.6がたった一言の大まかな指示だけで作り上げたヨットレースゲーム「Saltwind」は、そのまま遊べる3D Webページだ。以下は埋め込まれたゲーム本体で、「START REGATTA」をクリックすれば自分の手で船を操れる(キーボードA/Dで方向転換、W/Sでセール調整、スペースで加速):
もう1つの方向性は、一言の自然言語を対話的な解説ページに変えることだ。ChatGPT Workでは公式が3つの例を示している。インタラクティブなスピログラフ、波の干渉、GPTトークナイザーの可視化で、いずれもスライダーを動かすとリアルタイムで再計算されるWebページだ。まずスピログラフを見てみよう。ユーザーが「インタラクティブなスピログラフを作って原理を分かりやすく説明して」と一言指示すると、モデルは1分12秒考えた後、下のページを直接生成した(実行記録):
x = (R − r)·cos(t) + d·cos(((R − r)/r)·t) y = (R − r)·sin(t) − d·sin(((R − r)/r)·t)
PPTテンプレートを模写する、どちらがより忠実か
GPT-5.6は1つの参考ドキュメントから、レイアウト、フォント、余白、配色、繰り返し現れるコンテンツパターンなど、デザイン規範一式を推測できる。スライドマスター(Slide Master)に隠されたルールも含め、これらの決まりごとを新しいコンテンツに一貫して適用する。公式は「参考ファイルに沿って数字を更新する」という比較例を示している。同じ参考テンプレートで、GPT-5.5はマスターにある重要な要素を見落としたが、GPT-5.6はより完全に参考構造に従った。
同様の改善はドキュメントや表にも表れている。複雑な参考フォーマットへの追従がより忠実になり、数式や財務モデルの処理もより正確になった。組版、余白、階層、ページレイアウトの扱いもより的確だ。これは、フォーマットに沿って繰り返し成果物を作る必要がある知識労働に直接影響する。
「本番運用レベルのアプリケーションを作り上げる背後にある、長く複雑なプロセスにおいて、GPT-5.6は非常に効率的です。Lovableが現在採用しているモデルの1つとして、ユーザーが同じタスクを完了する際のステップ数を約25%削減し、ツール呼び出しを35%から48%削減しながら、プロジェクトの成功率を向上させ、行き詰まる実行を15%減らしました。」Fabian Hedin、Lovable共同創業者
サイバーセキュリティ能力が一段階跳躍、公式はどう管理しているか
GPT-5.6はOpenAI現行最強のサイバーセキュリティモデルであり、使用トークンも少ない。3つのテストにおける跳躍は明確だ。ExploitBench(脆弱性コードへの到達から任意コード実行達成までの進捗を測定)はGPT-5.5の47.9%から73.5%に上昇。ExploitGym(実際の脆弱性を使用可能なエクスプロイトに変換)は2時間の制限内で15.1%から24.9%に上昇し、6時間まで緩和すると33.7%に達する。SEC-Bench Pro(複雑なソフトウェア上での概念実証生成)は45.8%から71.2%に上昇した。
公式がこの能力に下した安全性判断はこうだ。GPT-5.6は生物学とサイバーセキュリティの両面で以前のモデルより強力になったが、両分野とも「クリティカルリスク」(Critical)の閾値は超えていない。サイバーセキュリティにおいては、公式テストによれば、強化された標的に対して信頼性の高いエンドツーエンドの自律攻撃を仕掛けるよりも、「脆弱性の発見と修正」を得意とするとされており、これは防御側にシステムを先に補強する猶予を与える。防御系タスク(セキュアコードレビュー、パッチ適用、脅威モデリング、ブルーチーム演習)が重点的にサポートされる方向性だ。
管理方式については、GPT-5.6の防護は多層的だ。モデルに訓練で組み込まれた防護に加え、リアルタイムチェック、継続的モニタリング、アカウントレベルの管理を備える。公式はさらに「推論モニター」を追加し、対話全体を振り返って危害を及ぼす可能性があるかを判断する。低精度な分類器のフラグだけに頼ってブロックの可否を決めるわけではない。以前と比べ、Solのサイバーセキュリティ防護が潜在的な有害行為をブロックする力は従来の約10倍になった。誤ってブロックされた正常な利用については、ChatGPTとCodexでワンクリックで能力の低いモデルに切り替えて再試行できるオプションが用意されている。公開前には、公式は約70万A100e GPU時間に及ぶブラックボックス自動レッドチームテストを実施した。
Trusted Access for Cyberとは
これはOpenAI Daybreakが本人確認済みのセキュリティ研究者や機関向けに提供する上位権限プログラムだ。認証済みユーザーは、許可された環境内で脆弱性の分類・検証、マルウェア分析、検知エンジニアリング、パッチ検証といった、より強力な防御能力を解放できる。未認証ユーザーはこの権限を得られない。最も機微な能力はこうした信頼できるユーザーに限定して提供され、「正当な防御作業を通す」ことと「深刻な悪用を防ぐ」ことのバランスを取っている。
完全なベンチマーク表:Claudeを逆転できた項目、まだの項目
OpenAIが取り上げて強調しているグラフは、いずれも自社が優位に立つ項目だ。付録の完全なベンチマーク表を広げて見ると、状況はより全体像が見えてくる。GPT-5.6 Solには圧倒的にリードしている項目もあれば、Claude Mythos 5に逆転されている項目もある。以下ではカテゴリー別にいくつかの重要な比較を挙げる。
| テスト(カテゴリー) | GPT-5.6 Sol | 対抗馬の最高成績 | 優勢な方 |
|---|---|---|---|
| ARC-AGI-3 (抽象推論) | 7.78% | 1.5% Claude Opus 4.8 | GPTが圧倒的リード |
| OSWorld 2.0 (PC操作) | 62.6% | 54.8% Claude Opus 4.8 | GPTがリード |
| コーディングエージェント指数 (Coding Agent) | 80 | 77.2 Claude Fable 5 | GPTがリード |
| BrowseComp (Webブラウジング、Sol Ultra) | 92.2% | 88% Claude Mythos 5 | GPTがリード |
| SWE-Bench Pro (実コードベース) | 64.6% | 80.3% Claude Mythos 5 | Claudeがリード |
| FrontierMath Tier 4 (高難度数学) | 83% | 87.8% Claude Mythos 5 | Claudeがリード |
| 総合知能指数 (Intelligence Index) | 58.9 | 59.9 Claude Fable 5 | Claudeがわずかにリード |
| Toolathlon (ツール呼び出し) | 58% | 61.7% Claude Mythos 5 | Claudeがリード |
もっと見る(学術、マルチモーダル、長文コンテキストなど)
| テスト | Sol | Terra | GPT-5.5 | Claude最高 |
|---|---|---|---|---|
| GPQA Diamond | 94.6% | 92.9% | 93.6% | 94.6%(Mythos Prev.) |
| FrontierMath Tier 1-3 | 89% | 84.9% | 85.3% | 87%(Fable 5) |
| MMMU Pro(ツール使用) | 84.6% | 82% | 83.2% | 、 |
| GraphWalks BFS 1M | 77.1% | 71.2% | 45.4% | 79.4%(Mythos 5) |
| GDPval-AA v2(Elo) | 1747.8 | 1593 | 1493.7 | 1759.6(Fable 5) |
| Terminal-Bench 2.1 | 88.8% | 87.4% | 85.6% | 88%(Mythos 5) |
| BenchCAD(python) | 83.4% | 78.2% | 55.8% | 65%(Mythos 5) |
脚注:HealthBench Professionalの数値はOpenAI自社論文の採点基準に基づいており、Anthropicのシステムカードの基準とは異なるため、両者の数字を額面通りに横並び比較することはできない。マルチエージェント(ultra)評価では、遅延はメインエージェントのみで計算され、トークンとコストはすべてのサブエージェントを合算している。
モデル発表だけじゃない:CodexがChatGPTに統合、しかも自分で仕事をこなすChatGPT Workも登場
GPT-5.6と同日、OpenAIはプロダクト構成にも手を加えた。ChatGPT Workを公開し、独立していたCodexアプリをChatGPTに統合した。GPT-5.6はまさにそれを駆動するエンジンだ。この半分の変化はモデル本体と同じくらい重要だ。
ChatGPT Workとは何か:Codexを内蔵したChatGPTエージェントで、さまざまなアプリからコンテキストを取得し、1つの目標をステップに分解し、完成した表、スライド、ドキュメント、Webページを直接渡してくれる。アドバイスをくれるのではなく、成果物そのものをくれるのだ。スケジュール設定ができ、バックグラウンドで自ら複数ステップのタスクを実行できる(Anthropic のClaude Cowork対抗)。ローカルのファイルやアプリを使うことも、新たに内蔵されたブラウザでWebサイトやオンラインファイルにアクセスすることもできる。Pluginsを通じて各種システムに接続でき、さらに新機能のSitesテスト機能では、フォルダやzipファイルをドラッグするだけで、すぐに動作するWebサイトに変換できる。
デスクトップ版の統合:元々独立していたCodexアプリは、新しいChatGPTデスクトップアプリ(Mac、Windows両対応)に統合された。Chat、Work、Codexの3つのインターフェースはすべてのプランで利用可能で、無料版も含まれる。すでにCodexアプリをインストール済みのユーザーは、アップデートするだけで新しいChatGPTデスクトップアプリになる。一方、元のChatGPTデスクトップアプリは「ChatGPT Classic」に改名された。
Chat・Work・Codexの3in1
デスクトップ版は3in1で、すべてのプラン(無料版含む)で利用可能。旧独立版は「ChatGPT Classic」に改名。
いつから使えるか:ChatGPT Workは本日まずPro、Enterprise、Eduプラン向けに開放され、その後数日でPlusとBusinessにも拡大される。
いつから使えて、いくらなのか
GPT-5.6は本日よりChatGPT、Codex、OpenAI APIで提供開始され、世界各地に順次展開、今後24時間以内に段階的に全面提供となる。3段階のうちSolはフラッグシップ、TerraはGPT-5.5に近い性能を持つ低コスト版、Lunaは最速最安価だ。
Terraを使用
3段階から選択、それぞれグレード設定可能
Sol Pro、ultraを選択可能
具体的な割り当て:ChatGPTでは、Plus、Pro、Business、Enterpriseユーザーがmedium以上のグレードでSolを利用でき、ProとEnterpriseはさらにSol Proも選択できる。ChatGPT WorkとCodexでは、Free、GoはTerraを使用し、Plus以上はSol、Terra、Lunaから選んでそれぞれにeffortグレードを設定できる。maxグレードは、GPT-5.6を利用できるすべてのユーザーが設定から有効にできる。ultraはChatGPT WorkではPro、Enterprise向けに、CodexではPlus以上向けに開放されている。
価格(100万トークンあたり)
キャッシュの課金ルールも更新された。GPT-5.6以降、キャッシュへの書き込みは未キャッシュ入力価格の1.25倍で課金され、キャッシュからの読み取りは引き続き9割引(つまりキャッシュ入力90%オフ)が適用される。同じ長いコンテキストを繰り返し使うアプリケーションにとって、キャッシュの挙動がより予測しやすくなり、コスト管理もしやすくなった。
もっと読みたい方へ
まず実際のキャプチャをいくつか見てみよう。OpenAI CodexのエンジニアであるDerrick Choiは、全編音声でCodexとブレインストーミングし、GPT-5.6 Solにワンショット(single-shot)でページ全体を生成させ、動作する15個のWebサイト/UIを作った。以下はそのうちの4つだ。




AI競争は「誰がより賢いか」から「誰がより省コストで速いか」へ:GPT-5.6がClaudeに肉薄、価格と時間を半減
OpenAIがGPT-5.6の3段階モデルを発表、さらに「4つのAIが一緒に働く」ultraモードも投入。1枚の図で、何がそんなに省コストなのかが分かる。
↓ 1ページで読み切り・動く図が1枚あります
OpenAIは本日(2026-07-09)、次世代の大規模モデル(つまりChatGPTの裏側にあるあのAI)GPT-5.6を発表した。一気に3段階、フラッグシップのSol、バランス型のTerra、最安価のLunaを投入し、当日中にChatGPT、Codex、開発者向けAPIで全面提供を開始した。
しかし今回OpenAIが押し出しているのは「より賢くなった」ことではない。AIモデルには昔からある弱点があった。
✘ ただし、うまくやるには大量の計算資源、時間、お金がかかる
スコアが高いほど、往々にして高くて遅くなる。対抗馬のClaude Fable 5が一連の専門テストをこなすのにかかる費用は、今回の新モデルの2〜3倍。多くの仕事は、割に合わないほど高くついていた。
GPT-5.6がより安く速くなったのは、2つの工夫による。まず1つ目、仕事のやり方を変えたことだ。
たとえるなら、以前は小さな用事1つするたびに電話で指示を仰いでいたようなもの。今はインターン生にリストを渡して自分で1周させ、1回だけ報告に戻らせるようなものだ。計算資源を節約するのが1つの道で、もう1つのより直接的な道は、一度に何体ものAIを呼び出して一緒に取り掛からせること。つまり次に説明するultraモードだ。
ultraはGPT-5.6における最高の「本気度グレード」だ。1つのAIにより長く考えさせるのではなく、デフォルトで4体のAIアシスタント(公式は「エージェント」と呼ぶ。自分でステップを分解し、ツールを操って仕事をこなせるAI)を呼び出し、タスクを分割して手分けし、並列処理させて最後に統合する。グレードは16体まで引き上げることもできる。
「省コスト」と言われてもピンとこないので、実際に計算してみよう。GPT-5.6と対抗馬のClaudeに同じ専門テスト(Agents' Last Exam、55の専門分野をカバーする長期タスク)をこなさせた場合、それぞれいくらかかるか:
視点を引いて、いくつかの重要な数字を見てみよう:
- × スコアが高いほど高い
- × 正確なほど遅い
- × 高すぎて割に合わない
完了する時間
わずか1点低いだけ
分
ultraデフォルト
分
速くて正確
分
→ 73.5%
